「年頭のあいさつ」東京都中小企業団体中央会 会長大村功作

会長 大村功作 会長 大村功作

 中小企業並びに会員組合の皆様には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 あわせて、昨年中に賜りましたご支援、ご協力に対し厚くお礼申し上げます。
 昨年を顧みると、わが国経済は空前の超円高の進行と国内産業の空洞化懸念、長引くデフレと消費の低迷、電力供給不安による生産活動への影響などを受け、中小企業にとりまして極めて厳しい状況のまま新年を迎えました。
 こうした中、昨年末の総選挙の結果、新政権が発足しました。わが国経済の活力の源泉である中小企業が、一刻も早くこの危機的な状況を脱するため、大胆かつ実効性のある景気対策を最優先で実行するよう強く期待いたします。
 一方、本会では組合支援機関として組合設立の促進や既存組合の活性化などに努めるとともに、会員の皆様から喜ばれるサービスをご提供するための支援事業を積極的に展開してきました。一例として、組合や中小企業のビジネスチャンスの創出や事業の拡大を図る「組合間連携」、組合・グループの経営改善計画策定と計画実現化を支援する「グループ戦略策定・展開支援事業」、都内ものづくり産業の技術開発を支援する「受注型中小製造業競争力強化支援事業」、中小企業の環境経営による経費節減・経営効率化を図る「エコアクション21」などが挙げられます。今年も引きつづき、これらの支援事業を強力に推進するとともに、東京都や都議会に対し要望した新規支援事業の実現についても積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 ところで、昨夏開催されたロンドンオリンピックでは、日本選手が史上最多のメダルを獲得し、人々に感動や勇気を与えたことは記憶に新しいところです。特に、チーム全員が一丸となり組織力を活かした団体競技での健闘が際立っており、個々の力を束ねた組織の強みが充分に発揮された結果であり、組合に携わる立場から組織の果たす役割や意義の重要性を再認識した思いです。今年の9月には2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市が決定されることから、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」のキャッチフレーズのもと、東京開催を目指す東京都の招致活動に対して本会も全面的に協力してまいりますので、さらなるご支援をお願いいたします。
 今年の干支は巳です。この巳の字は蛇の姿を表しており、蛇は脱皮を繰り返すことから「復活と再生」を連想させるとともに長寿なことにちなんで「神の使い」として崇められてきました。巳年にあやかり今年こそわが国経済の復活と再生に向けて、相互扶助の精神のもと組合が一致団結され、この難局を打破し力強く邁進されることを願ってやみません。
 本会としては、引きつづき組合への巡回をはじめとする各支援事業を効果的に進め、皆様のご期待に応えるよう全力で取り組んでいきますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 結びに、今年が皆様にとって明るく希望に満ちたすばらしい一年となりますよう心から祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。