平成20年度税制改正に関する重点要望項目

平成19年11月
東京都中小企業団体中央会

 わが国経済は全体としては回復軌道に乗ってきたものの、地域経済や中小企業では依然として厳しい状況が続いている。中小企業の活力増進なくして持続的かつ安定的な経済成長はありえない。

◎1. 包 括 的 な 事 業 承 継 税 制 の 確 立
  • 本来、事業用資産に係る相続税を非課税とすべきである。まずは、後継者が相続後一定期間、事業を継続することなどを条件に、非上場株式等の事業用資産に対する相続税負担を8割以上減免する包括的な事業承継税制を確立すべきである。
  • 事業承継税制の導入にあたっては、中小企業の底上げの観点から、対象範囲や軽減額上限、適用条件・手続きなどについて、多くの中小が活用しやすい制度にしていただきたい。
  • 併せて、取引相場のない株式の評価の見直し、相続法上の問題(遺留分等)への対応が必要。
2. 中小企業等の成長力底上げや生産性向上に資する税制措置
  • IT投資の促進(中小企業投資促進税制、情報基盤強化税制の拡充・延長)
  • 研究開発投資の促進(中小企業技術基盤強化税制、研究開発促進税制の拡充・延長)
  • 人材投資の促進(人材投資促進税制の拡充・延長)
  • 区分の大括り化など減価償却制度の一層の見直し。
3. 中小企業等の経営基盤強化に向けた見直し
  • エンジェル税制の拡充、設立5年以内の中小企業者等に対する欠損金の1年間の繰戻還付措置の拡充・延長、少額減価償却資産特例の拡充・延長、交際費の損金算入規制の撤廃など。
4. 中小企業等における企業年金制度の充実強化
  • 特別法人税の撤廃、確定拠出年金制度の拡充、特定退職金共済制度の早急な法的整備の実現。
5. 地方幹線道路等の早期整備および道路特定財源のあり方
  • 地域間の格差是正と地域の活性化の観点からも、地方幹線道路など真に必要な道路を早急に整備されたい。道路整備のためとして賦課された財源は、暫定税率を含め現行の税率水準を維持しつつ、必要とされる道路整備に全額を投入するのが筋である。
6. 農商工連携等を促進するための所要の税制措置
  • 農林水産業と商工業との連携等を促進するため、事業者が実施する建物、機械等への設備投資について、税額控除または特別償却措置を講じられたい。
7. 環境問題への対応と税制措置 ~環境税の導入反対~
  • 環境税の導入には断固反対。環境対応の技術開発や設備投資等を支援する措置の充実。
8. 活動実態を踏まえた非営利法人課税等の実施
  • 商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、商店街振興組合等のような特別法に基づいて設立された特に公益性の高い法人への課税強化はすべきではない。むしろ、現行の特定公益増進法人等以上の寄附金優遇を認めるべき。

以 上

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