官公需についての中小企業者の受注機会の確保等について
〜東京都出納長並びに各局長等に通知〜

04/8/10 更新


 東京都財務局長並びに産業労働局長は、平成16年7月6日、“官公需についての中小企業者の受注機会の確保等について”を、出納長、各局長、大学管理本部長、中央卸売市場長、病院経営本部長、消防総監、教育長、警視総監、議会局長及び各行政委員会事務局長あてに通知した。
 それによると、中小企業者が受注できる分野の確保・拡大に努力することや、中小企業者の受注機会増大のための措置として、@分離分割発注の推進、A官公需適格組合をはじめとする事業協同組合等の活用、B共同企業体方式の採用、などを挙げている。−その内容は次のとおり。

官公需についての中小企業者の
  受注機会の確保等について(通知)

 東京都は、中小企業が、地域社会の活力や都民生活の向上に果たす役割の重要性に着目し、従来から、中小企業対策を重視して、各種の施策を講じ、中小企業の振興に努めてきたところです。
 しかしながら、最近の我が国経済は、長期にわたる低迷の後、緩やかな回復の兆しが見られるようになったものの、雇用情勢は構造的失業率が高い水準で推移し、個人消費も減少傾向にあるなど、依然として緩やかなデフレ状態にあり、中小企業を取巻く経済環境は引き続き厳しい状況にあります。
 こうした中、本年度においても、引き続き、中小企業者の資金調達の多様化への支援、仕事の確保対策などの諸施策を推進することにしています。
 中でも、官公需について中小企業者の受注機会の確保を図ることは、中小企業者に対する需要の増進策として有力な手段となり得るもので、経営の安定に資する効果も大きいため、本年度も推進する考えです。
 このため、貴職におかれましては、現下の都財政の厳しい状況を踏まえつつ、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(昭和41年法律第97号)」の趣旨を勘案し、中小企業の受注機会を確保するため、下記施策の推進を図られますよう、ご配慮をお願いします。



1 中小企業者向け契約比率の増大

 中小企業者の契約受注実績(過去5年間の推移)は、別紙1[略]のとおりであるが、中小企業者が受注できる分野の確保・拡大に努力すること。

2 中小企業者の受注機会増大のための措置

(1) 分離分割発注の推進

 中小企業者の受注機会の確保を図るため、従来から分離分割発注の推進を図っているところである。
 平成12年8月に通知した「適切な発注ロットの設定について」(平成12年8月3日付12財経総第832号財務局長通知)により、中小企業者の受注機会の確保を基本としつつ、コスト縮減の観点を踏まえ、適切な発注ロットの設定に努めることとしたので、この点に留意すること。

(2) 事業協同組合等の活用

 都においては、事業協同組合等(以下「組合等」という。)の健全な育成を図るため、組合等に対し、入札参加の途を開いてきたところである。
  競争入札参加者の指名に当たっては、専任技術者の適正配置を確認するなど契約履行上の条件等に注意しつつ、官公需適格組合をはじめとする組合等を積極的に活用すること。特に、官公需適格組合制度については、その一層の周知徹底に努めること。
 なお、官公需を受注できる組合等の組織化については、産業労働局が中心となって指導を行っている。
 また、財務局においては、これらの組合等の入札参加申請を随時受け付けているので、問合わせ等があった場合は、速やかに財務局へ申請をするよう指導願いたい。

(3) 共同企業体方式の採用

 中小建設業者の受注機会の確保を図るため、財務局においては、大企業者と中小企業者間で共同企業体を結成させ、共同で受注させる方式を採用しているところである。
 各局(所)においても、工事の施行にあたっては、この共同企業体方式採用の趣旨を踏まえ、監督体制等、適正な施工の確保に務めること。

(4) 指名基準の運用

 工事請負等に係る指名競争入札参加者の指名については、東京都工事請負指名競争入札参加者指名基準(別紙2)[略]を定め、その適正な運用に努めてきたところである。特に、中小企業者の健全な育成を図る立場から、同基準第6(直近上位以上の等級に属する者の指名)の運用については厳格を期するとともに、同基準第5(直近上位又は直近下位の等級に属する者の指名)の1及び3に基づき、直近下位の有資格者の指名に積極的に配慮するなど、地元建設業者、専門工事業者等中小建設業者の優先指名に努力すること。
 なお、この場合にあっても、発注者支援データベース・システムを活用することにより専任技術者の適正配置を確認するなど、不良不適格業者の排除に努めること。
 また、物品の納入等に係る指名競争入札参加者の指名についても、東京都物品買入れ等指名競争入札参加者指名基準(別表3)[略]を定め、その適正な運用に努めてきたところである。特に、中小企業者の健全な育成を図る立場から、同基準第4(指名の方法)の2及び3に基づき、直近下位の有資格者の指名に配慮するとともに、同基準第5(優先指名)を積極的に運用し、中小企業者の優先指名に配慮するなど、極力多くの中小企業者の受注機会を確保するよう努めること。

(5) 計画発注の推進
 中小企業者に工事の請負、物品の納入等を発注するに当たっては、可能な限り計画的な発注を行うとともに、労働時間短縮等の動きを踏まえ、適正な納期・工期を設定するよう配慮すること。

(6) 銘柄指定の廃止
 物品等の発注に当たっては、原則として銘柄指定を行わないものとすること。

(7) 適正価格による発注
 中小企業者に工事の請負、物品の納入等を発注するに当たっては、需給の状況、原材料価格の動向等を勘案し、適正な価格で発注すること。

(8) 発注予定工事の公表
 官公需に係る工事の発注にあたっては、平成13年4月から「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の施行を受けて毎年度の工事発注見通しを全庁的に統一して公表することとしたところであるが、発注予定工事の情報提供については、創意工夫をこらし、あらゆる機会に積極的に行うこと。

(9) 特定品目の発注及び落札情報の提供
 国等においては、中小企業官公需特定品目について、その発注等に関する情報を、都道府県の中小企業団体中央会等を通じて、中小企業者に提供している。
 都においても、国に準じて、東京都中小企業団体中央会を通じ、発注等に関する情報を中小企業者に提供していくので、各局等は別紙4[略]に掲げる特定品目の例示を参考にして、その発注等に関する情報の提供が可能なものについて、発注情報については別紙様式5[略]により、落札情報については別紙様式6[略]により、産業労働局商工部経営革新課あて通知すること。

3 そ  の  他

(1) 東京都契約事務協議会の活用

 都における売買、請負その他の契約の適正かつ円滑な執行を確保するため、知事部局、行政委員会、公営企業局の契約事務担当職員で構成する東京都契約事務協議会を設置しているところである(別紙7)[略]。同協議会は、公正性・経済性等の向上を図るための契約制度改善など、都の契約面での施策を全庁的に調整するものであり、各局(所)において同協議会の場の一層の活用を図られたい。

(2) 監理団体への周知

 東京都監理団体については、従来、所管局を通じて協力要請を行ってきたところであるが、今後とも団体経営の自立性を尊重しつつ、この通知の趣旨について、周知を図られたい。


本件に対する問い合わせ先
財務局経理部総務課契約調整
内線 26−112
直通 5388−2607
産業労働局商工部経営革新課経営安定支援係
内線 36−651
直通 5320−4783

(16財経総第473号 平成16年7月6日)

<< トピックスへ戻る
<< 官公需適格組合制度へ戻る

<ロボット検索で訪問の方 >
東京都中小企業団体中央会 TOPページへ