2002年 8月 28日 (水)

新規高卒者の就職に特段の配慮を
〜東京労働局長が来会、周知方協力の要請〜



 長引く景気低迷の中、東京都内の雇用情勢は依然として厳しい状況が続いている。高校卒業予定者についても、大変厳しい就職環境下におかれており、東京都及び厚生労働省東京労働局では、就職面接会の開催、ハローワークを通じての各種就職支援などを実施しているところである。8月26日、坂本由紀子厚生労働省東京労働局長が来会、菅谷頼道会長と面談の上、新規高卒者の就職状況について、「一段と厳しさが増している。東京労働局では就職支援にいろいろな手だてを尽くしているが、一人でも多く方々の採用のために、東京都中央会並びに傘下組合員企業におかれては、この趣旨の周知と募集・採用枠の拡大にご協力をお願いしたい」旨、強く要請された。
 要請文は、次のとおり。


拝 啓
  残暑の候、貴団体におかれましては、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
  日頃から、職業安定行政の運営につきましては、格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
  さて、高校卒業予定者を取り巻く就職環境につきましては、都内における求人数を見ますと平成14年7月末現在で、17,669人と昨年同期を13.4%下回る大変厳しい状況にあります。
  また、就職を希望する生徒数につきましては、年々減少傾向にありますが、これは単に大学等への進学率の上昇だけではなく、高校生を取り巻く就職環境の厳しさから就職を断念したまま明確な進路選択が出来ない生徒が多数存在すると推測され、これらの者が進路未決定のまま高校を卒業し、いわゆるフリーターといわれる不安定な就労を続ける若年者の発生の原因ともなっていると考えられます。
 このため、厚生労働省東京労働局では、就職を希望する高校生が、社会への第一歩を順調に踏み出すことが出来るよう東京都の教育行政機関との連携のもと就職面接会等を開催するほか、都内各ハローワーク(公共職業安定所)においては、各高等学校と連携をとりながら来春卒業予定の高校生に対する各種就職支援を積極的に実施しているところであります。しかしながら、就職支援にあたりましては、何よりも豊富な求人の確保が重要になっているところであります。
 つきましては、就職意欲に溢れる新規高卒者が、来春、希望に胸膨らませ社会に巣立つことが出来ますよう何卒ご理解を賜り、貴団体傘下事業主の皆様にこの旨ご周知いただきますとともに、新規求人募集及び採用枠の拡大につきまして、特段のご協力をお願い申し上げます。
 末筆ながら、貴団体及び会員各企業のますますのご発展をお祈り申し上げます。
敬 具
平成14年8月26日
厚生労働省東京労働局長
    坂 本 由 紀 子
東京都中小企業団体中央会会長
菅 谷 頼 道 様