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中小企業団体情報連絡員報告会(平成21年度下期)開催される
〜景況DIは回復傾向にあるものの、予断を許さない〜

10/3/18

 東京都中央会は3月16日(火)、東京都中小企業会館9階講堂において「平成21年度下期中小企業団体情報連絡員報告会」を開催しました。
 情報連絡員は、都内の中小企業の景況を調査するため、様々な業種の組合役職員150名に対して本会が委嘱しているものです。情報連絡員から寄せられた調査票は毎月集計されて、調査結果は「中小企業だより」においても毎号掲載して周知しております。
 本報告会では、平成21年8月から平成22年1月までの下期分の調査結果をとりまとめ、情報連絡員にご出席いただき報告を行い、今後の調査活動の一助とするために開催しています。以下のとおり報告会の概要を紹介いたします。

報告会の様子

報告会の様子

 まず、来賓として出席された東京都産業労働局商工部調整課課長補佐の秋山陽子氏からのご挨拶の後、本会副会長柿沼伸二から開会の挨拶及び経済概況報告を行いました。
 今回の報告会はまず開会に先立ち、本会情報課の安藤より「組合事務局実態調査結果報告」について説明を行い、引き続き、本会労働課主幹の三原より「中央会の無料職業紹介事業」の紹介を行いました。
 議案の説明に入り、情報課安藤は、配布した「情報連絡票のまとめ」及び「要約」により、下期(21年8月〜22年1月)の『業界の景況』『売上高』『在庫数量(製造業・商業のみ)』『販売価格』『収益状況』『取引条件』『設備操業度(製造業のみ)』『資金繰り』『雇用人員』等のDI値の動向、期中の総合的な動きなどを説明し、質疑応答の後閉会しました。

柿沼副会長

秋山課長補佐

秋山課長補佐

柿沼副会長

下期景況の要約

 以下は、情報連絡員報告会で報告された今期の景況の「要約」です。

 下期の都内中小企業の景況を情報連絡員の報告から見ると、半年間における景況の平均DI値(前年同期比)は、平成21年度上期と比較して製造業は8項目、非製造業は全ての項目で(調査項目は製造業9項目、非製造業8項目)回復傾向を示す結果になった。特に平成22年1月の製造業における景況DI値は約2年ぶりにマイナス50台となり、マイナス90台に達した1年前と比較して大幅に改善している。しかし、この結果は最悪の経済状況を呈していた昨年の景況と比較した事により生じた結果であり、回復実感の伴わない、見かけ上の数値に過ぎないともいえる。
 情報連絡員から具体的に寄せられた報告でも、売上高は最悪期より持ち直したものの、依然として消費の冷え込みは変わらず、業者間の競争の激化、顧客からの値下げ圧力、季節需要の不振等の厳しい現場の声が、あらゆる産業から寄せられている。また、上期同様に組合員の倒産・廃業や脱退組合員の増加を伝える報告も目立っている。


業界の景況DI

売上高DI

収益状況DI

上 期

下 期

上 期

下 期

上 期

下 期

製 造

−81.8↑

−70.9

−82.0↑

−69.0

−80.0↑

−69.8

非製造

−81.0↑

−74.2

−77.1↑

−64.6

−80.4↑

−68.4


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 各月の特記事項及び動き ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

8月

「国等の緊急融資は一定の効果はあったが、今後返済資金を捻出できるかが大きな問題となっている。」 

(紙製品製造業)

「一般家電の売上減少を「オール電化機器」や「太陽光発電」等でカバーできた店は、僅かながら伸びている。エコポイントについては、地域店の顧客は高齢者が多く、制度の理解が困難で、関心も低い。」                                      

(電器製品小売業)

9月

「組合非加入のアウトサイダーが組合員に対し廉価で下請けの売り込みを行なっているなど、仕事量の減少が様々な影響を及ぼしている。」 

(印刷業)

「クリーニングの利用頻度を調査したところ、低所得層ほど利用頻度が低いという結果になった。丁寧な仕事と信頼関係により高額所得層の顧客を多く獲得している組合員ほど元気である。」

(クリーニング業)

10月

「百貨店をはじめとして価格破壊が浸透し、高付加価値であっても高額な衣料品は見向きもされない状況にある。」

(ニット製品製造業)

「将来的に電気自動車などの新技術において、金属熱処理工程が減少することの可能性が懸念されている。」

(鍍金加工業)

「組合が1年がかりで取り組んできたイベントが成功裏に終了した。イベントは宣伝、売上等の成果のみならず、達成感や組合員間の結束力の醸成等、様々な成果を得ることが出来た。」 

(理容用品卸売業)

11月

「組合員同士の競り込み(他社の得意先に対する営業。既存の納入業者より安価での売込みをかける。)トラブルが目立っている。」

(中華麺製造業)

「複写関連業者が減っている。市場規模に見合うまで整理、統合が進むとの見方が強い。多品種、少量、IT対応といった技術に対応できない事業者は市場から撤退をせざるを得ない状況にある。」 

(複写業)

12月

「12月の売上高はようやく前年比で増加に転じたものの、平成20年10月以前の売上高に比べると60%程度であり、依然厳しい状況にある。」

(自動車部品製造業)

「季節物商品の動きが年々悪くなっている。その影響が12月の売上状況にも現れている。年末が特別な時期ではなくなった感がある。低価格指向は相変わらず続いている。」 

(食品小売業)

1月

「集合住宅の建設は低調であるが、戸建て住宅は若干回復している。しかしながら、本来1〜3月期は売上がピークになる時期であるが、例年の実績には及ばない。」           

(建築金物製造業)

「年始商戦はよく健闘し、前年比では売り上げを維持することができた。ただし、この数字は最も厳しかった昨年と比較したものであり、楽観視できる状況ではない。」 

(玩具卸売業)

「大手スーパーの安値攻勢が続いているが、地域小売店は安売りをスーパーに任せ、専門店としてよい商品を消費者に提供し、繰返し訪れてもらえる店作りを心がけるしか方策はない。」

(青果小売業)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 各月の要望事項 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

8月

「仕事の確保が急務。緊急保証制度や雇用調整助成金で乗り切っていたが、限界に達している。」  

(鍍金加工業)

9月

「リサイクル原則化ルールにより、需給バランスが考慮されずリサイクル骨材の使用が求められているため、砕石製造業者の経営を圧迫している。このため、業界ではリサイクル骨材利用について適正に行われるよう、国土交通省に陳情を行っている。」

(砕石製造業)

「日本政策投資銀行からの借入れ金利が高率であるため借換えを望む声があるが、応じてもらえないとのこと。中小企業の現状を鑑み、金利の軽減をお願いしたい。」         

(港湾運送業)

10月

「補正予算は旗・幕・テント等の受注につながっていた。新政権が行っている補正予算の削減は今一度、見直していただきたい。」

(帆布製品製造業)

11月

「国が効果的な景気浮揚策を打ち出さない以上、東京都が消費刺激策を講じていただきたい。」

(紙製品製造業)

12月

「自動二輪車もエコカー減税や補助金の対象とすることを検討してほしい。」 

(自動二輪小売業)

1月

「高速道路料金無料化が徐々に現実味を帯びてきたが、別納事業を実施する組合にとって存亡の危機である。」            

(貨物自動車運送業)


担 当;東京都中央会 情報課
TEL;03−3542−0389(直通)
FAX;03−3545−2190

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