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情報連絡員報告会(平成17年度上期)開催される
〜原油の高騰が中小企業経営を圧迫した半年〜

05/9/23
 東京都中央会は9月21日(水)、東京都中小企業会館9階講堂で「平成17年度上期情報連絡員報告会」を開催致しました。(出席者;112名)

 本報告会は、都内の様々な業種・業態の組合に在籍する「情報連絡員」(150名;製造業65名、非製造業85名)により毎月提出される「情報連絡票」から、半年毎にその期における業界・中小企業の景況の「主な動き」、「特記事項」、「要望事項」等を取りまとめたうえで、状況報告を行い、今後の情報活動の一助とするものです。

 なお、月次報告の概要については、本会機関誌《旬刊・中小企業だより》の毎月25日号に掲載しているほか、ホームページ・「調査集計情報」のなかでも報告しておりますので、ぜひご覧下さい。

 今回の報告会は、まず開会の挨拶を兼ねて本会副会長渡辺能持から、「情報連絡員の皆様には常日頃よりのご協力に深く感謝申し上げます」旨の挨拶に引き続き、「最近の組合・企業を取り巻く経済状況の一端」として、「前期から“景気の踊り場”が続いていたが、期後半に至り、家計・個人消費も含め緩やかながら回復基調に転じている。雇用も上向き、株価、基準地価も上昇して、全体的には景気回復を告げている。団塊世代500万人の定年退職期を睨んだ高齢者雇用法改正と併せ、今後の雇用問題が注目されているが、唯一の心配事は、原油価格の上昇が各方面に多大な影響を及ぼしていると言うことである。ともあれ、ここ数年来とりわけご苦労をされてきた中小企業の皆様にとっては、多少なりとも明るさが見えてきたことは力強いことである。更なる頑張りを期待します。」と締め括りました。

 ご来賓として出席された東京都産業労働局商工部調整課長保坂政彦氏は、「この情報連絡員による調査報告書については、私も毎月『特記事項』『要望事項』含め全て目を通している。中小企業・団体の様々な業界の現場からの生の声として、直接行政に反映できるよう、このユニークな情報連絡員制度を通じて意見をどんどん出してもらいたい。東京都商工部では、『ものづくり、人づくり ものはこび、人はこび』と称して、きめ細かい中小企業施策を打ち出している。事業承継施策、リバイバル支援事業、知的財産権制度、東京デザインマーケットなどだが、来年度もさらに拡充していきたい。都の中小企業施策において、この情報連絡員の評価がさらに高まるよう願っています。」と挨拶されました。

 引き続き、本会広報課長大知里義信は、別冊で配布した「情報連絡票のまとめ」及び「要約」により、今期(17年2月〜17年7月)の『業界の景況』『売上高』『在庫数量(製造業・商業のみ)』『販売価格』『収益状況』『取引条件』『設備操業度(製造業のみ)』『資金繰り』『雇用人員』等のDI値の動向、期中の総合的な動きなどを説明しました。

 今期景況の要約として、半年間の期間平均の数値は、前期と比較して製造業では、調査項目の9項目中、3項目で好転、6項目で悪化、非製造業では調査項目の8項目中、5項目で好転、3項目で悪化という結果になった。

 原油の高騰が、資材や燃料の価格を上昇させ、製造業・非製造業を問わず経費が増大し、収益性を悪化させ、経営が圧迫されるという中小企業にとっては苦しい半年であった。加えて、価格の上昇分を商品価格に転嫁することができない現状が問題をより深刻なものにした。しかし、7月には製造業で「収益状況」のDIが大幅に好転、「雇用人員」、「資金繰り」も好転するなど、今後に期待を抱かせた。

 なお、今期中に寄せられた特記事項のうち主なものは、「ノロウィルスにより牡蠣の輸入がストップされ、弁当屋のメニューからもはずされた」(食料品・2月)、「クールビズの導入により業界では来年の夏物生産への不安が高まっている」(繊維同製品・5月)、「高齢化、受注減による廃業を理由とした組合員の脱退が増えている」(繊維同製品・6月)など。
 原油高騰に関連した意見はこの半年間毎月にわたって、「原油価格高騰による大幅なコスト上昇は製品価格への転嫁を余儀なくされている」(化学ゴム・3月)、「原料高の影響で仕入れ価格をユーザーに転嫁しようとしても受け入れられない状況」(卸売業・4月)、「原料の高騰はやや落ち着きを見せ始めたが、世界的な品薄感から2次、3次の値上げが予想され、売り上げが増加しても利益にはならない」(化学ゴム・5月)、「石油価格の値上げから、製品の値上げまでのスパンが非常に短く、石油価格の動向に目が離せない」(小売業・5月)、「石油化学各社は、昨年より5回目という異例の頻度で値上げをしている。販売者レベルでの値上げトレンドは止まりそうもない」(小売業・6月)、「主原料である重油の高騰が経費に響いている」(サービス業・7月)など業種を超えて多数寄せられた。

 また、主な要望事項として、「石油製品を主とする原材料の価格上昇への対策を」、「国産大豆が安定的に供給されるよう国産大豆増産策を」、「公的規制としての『資源抜き取り禁止令』の制定を」、「米国産牛肉の早期輸入制限解除を望む」などが寄せられた。

■ 本件に関するお問い合わせは、下記あてにお願いします。
東京都中央会 広報課
TEL; 03−3542−0386(代)
TEL; 03−3542−0317(直通)
FAX; 03−3545−2190
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