組合創業シリーズ
地域の主婦が集まって創業した“無添加の美味しいパン”を作る店「パンの家」


企業組合ワーカーズコレクティブ・ラ・ママン  東京都国分寺市本町2-23-3


(ラ・ママンとは)
 平成元年、国分寺・小金井・小平・国立地区に住む15人の主婦が、“自分たちの地域に自ら働く場を創り出していこう。”という生活クラブ生協の提案に呼応して、任意団体「ラ・ママン」(優しいお母さん)を結成。3人のパン作りに詳しいメンバーを中心に、さらに生協からの講師の指導も受けて、安心して食べられる“無添加の美味しいパン”の製造販売を目的とした屋号「パンの家」をJR中央線国分寺駅北口に開店しました。

(組合の設立経緯について)
 開店当初は、店売りを主体に一部注文配達も行っていました。3年目からは地元の保育園等への大口の納入も始まりましたが、近隣の大手パンチェーンの店が閉店するなど、折からの平成不況の影響で売り上げは伸び悩み、経営は厳しい状況になりました。
 そこで、店売りの他、より一層営業を強化し、安定した受注の確保を求めて公共施設への納入を図るべく、地元の国分寺市役所と折衝したところ、法人格の無い任意団体には発注できないということ。
 さらには、生協で一括契約していた店舗の賃貸借契約をラ・ママン独自で締結しなければならないという事態に直面することになりました。
 そこで、これらの問題を解決し更なる組織の発展を期して、平成12年4月に「企業組合ワーカーズコレクティブ・ラ・ママン」として再スタートを切ることにしました。


パンを焼きます。
焼き上がりました。
お店に並んだ
 美味しいパンです。
(組合活動について)
 組合になって初の平成13年決算時の売上げは、3,234万円(店売り8割・注文配達2割)でした。これは、任意団体としての開店当初の売上げ3,261万円や過去最高の売上げであった平成5年決算の3,712万円には及びませんでした。
 組合としては、製品の値上げをすることなく、この売上げ漸減傾向に歯止めを掛けるため、人件費も含めた経費の節減を図っています。また、官民を問わず積極的な販路拡大にも努めています。
 売上げの8割を占める店売りの販売促進策としては、毎年開店記念日の12月8日前後に“開店記念感謝セール”を開催したり、地域まつり等のイベントに出店しチラシを配布する等、誘客につなげています。
 また、年に4回程組合の製造技術力のアップを目指した内部の技術研修会を開催すると共に年に1回新しい仲間の募集も行い次世代の育成にも力を注いでいます。


元気に頑張る組合員の皆さん
(左端が渡邉理事長)
 お話を伺った渡邉博美前理事長には、「人に雇われるのではなく、自分達で主体的に働く場を確保し、組合員の横の連帯と開店以来13年の経験を自信に、お客様に喜ばれ支持されるパン作りを通じて地域社会に貢献できる様に頑張っています。」と創業と地域への貢献の熱意を語っていただきました。


一口メモ)
 「パンの家」ラ・ママンでは、安心して食べられる“国産小麦・天然酵母・自家製フィリング”による無添加の美味しい手作りパンを製造販売しています。
 営業時間は、日曜祭日を除く毎日午前10時から午後6時半まで。日替わりパンもあります。
 場所は、JR中央線国分寺駅北口から徒歩3分、商店街を北へ約250m程行き右折したところです。
 国分寺駅の南口前には、都の「殿が谷戸公園」、足を延ばせば散策路として有名な“お鷹の道”、その先には現国分寺や万葉植物園、そして奈良時代の国分寺跡や国分尼寺跡の史跡があります。
 散策の行き帰りに是非「パンの家」へお立ち寄り下さい。

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