江戸の伝統工芸品組合シリーズ
装飾品、眼鏡フレームなのでお馴染みのべっ甲製品を作る職人さんの組合です


東日本べっ甲事業協同組合 :〒272-0034 千葉県市川市 市川 2-20-1
TEL:047−325−2166
FAX:047−322−9100

 組合の前身は、戦前に職人にとって不得手である情報交換を主目的として組織された任意団体「東京ベッ甲工芸品組合」で、太平洋戦争の混乱期には活動を一時中断しましたが、戦後昭和20年代後半になって活動を再開しました。
 その後、現組合の初代理事長となった内野宗一氏が、組合員の発展のためには情報交換だけではなく、販路の拡大や職人意識のさらなる高揚、そして行政への陳情等の活動も必要であり、そのためには法人格の取得が必要であると判断し、内野氏をはじめ8人の発起人が中心となり法人化の手続きを進め、地域的には東京を中心に1都6県の約50人のメンバーにより、昭和39年に「東日本ベッ甲事業協同組合」が設立されました。
 その後、昭和57年に東京都より伝統工芸品指定産地組合の指定を受け、現在、組合には東京都から認定を受けた伝統工芸士が6人おり、「江戸鼈甲」の伝統を引き継いでいます。
松本理事長
松本理事長

総べっ甲の眼鏡フレーム
松本理事長の作品である
総べっ甲の眼鏡フレーム
 組合の事業は共同購買と共同販売が主体となっており、共同購買事業としてはベッ甲材料や製品を毎月1日に組合員が集まって開催する例会と理事会で承認した全国の職人を交えて毎月7日に開催する例会の2通りの例会の場において、限られた貴重な材料の購入や交換を行っています。
 このベッ甲材料は、ワシントン条約によって輸入が全面的に禁止されており、在庫は現在組合員等が保有しているもののみで、これに関しては、通商産業省への特定器官台帳の報告が義務づけされるなど、まさに限りある貴重なものであり、従って端材も有効活用されています。
 一方、共同販売事業としては、各地で開催される産業展やデパートなどの展示・即売会に参加し、組合員の販路の拡大に多大な成果をあげています。
 また、組合が参加している「日本ベッ甲連合会」主催により、隔年11月に亀供養の石碑が建立されている台東区の浅草寺で「亀供養」が行われて、組合員一同参列して供養しています。
 「ベッ甲には、プラスチックと違った“あたたかみ”があり、このあたたかみを大切に、材料に限りがあるベッ甲製品ですが、材料の有効活用に徹し、良い製品を作り続けます。」と、岡 信彦理事長は話されていました。
浅草寺境内にある「亀供養碑」
(一口メモ)
 
ところで、ベッ甲って何なんでしょうか?そう、ウミガメの甲羅なんですが・・・ウミガメだったら何でも良いわけではないんです。ベッ甲として利用できるのは、「タイマイ」しかダメなそうです。
 この「タイマイ」は、赤道より南北緯度20度以内のところにしか生息しておらず、1992年のワシントン条約によって全面的に輸入が禁止されたため、業界としては輸入解禁を願っていますが、今のところ見当がつかないそうです。そこで、東京都立産業技術研究所において、この貴重なベッ甲のパウダーを固形化して実用化すべく研究がなされているそうです。
これが「タイマイ」

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