令和2年度団体向け新型コロナウイルス
感染予防対策ガイドライン等の普及促進事業
東京都個人タクシー協同組合からは、一般社団法人 全国個人タクシー協会が推奨する「感染予防対策ガイドライン」を個人タクシー各事業者に周知しているが、実際の取組みは事業者次第となる。今回は組合員を代表して、特に積極的な取組みを行っている松山タクシーの松山邦彦氏に話を伺った。
東京都個人タクシー協同組合は、昭和38年創立。安全運行に必要な各種講習やマナー研修など、個人事業主である個人タクシー事業者の営業活動をサポートしている。松山邦彦氏は、平成20年より個人タクシーを経営。東京観光タクシードライバー認定、介護福祉士・ホームヘルパー2級資格を取得し、都民の足として活躍している。
A: 運転席と客席を隔てるシールドは、組合からさまざまな車種に対応してくれる施工業者を紹介してもらい、そこを利用しました。
そのほか、検温結果を掲示する「HEALTH CHECK CARD」を組合員用に安価で作成してくれたり、マスクが入手困難な時期には、組合組織として仕入れてくれたりとさまざまなフォローがありました。
私個人としては、車内を光触媒の抗菌施工をしたり、小型の空気清浄機、マスクや使い捨て手袋、レインコートなどを準備しています。
A: 乗客にはマスクをしていない人もいるので、そうした方にはこちらからマスクを差し上げるなど、感染予防にご理解とご協力をいただいています。ビジネス客が減っているので、売上は前年比5割減といったところですが、タクシーを交通手段として選んでもらえるように努力しています。
私は病気や障害をお持ちの方でも安心して移動できるタクシーを目指していますので、今回の取組みは、さまざまな感染症への備えとしてやるべきことだったと考えています。
A: もともと東京2020パラリンピック競技大会で、大会関係者や観戦者が、車椅子のまま乗車できるようにするなど、車両の改造を行いました。
残念ながら、今年は大会が開かれませんが、準備をしていたおかげで、いま、感染するとリスクが高いと言われる持病をお持ちの方でも安心してご利用いただいています。
介護福祉士の資格も持っているので、日常的な通院やデイケアへの送迎など、「タクシー+α」のサービスを提供し、誰もが安心して移動できるお手伝いをしていきたいです。
高齢ドライバーの中には75歳の定年前に感染リスクを考えて廃業する方もいます。このように、常にドライバーは人を乗せて走ることの責任感から自身の健康管理に気を配り、感染のリスクの軽減とサービスの向上を模索しています。
こうした日々の努力を利用者に伝え、個人ならではのきめ細やかなサービスから、「また乗りたい」と思ってもらえるようなタクシーを目指しています。