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浅草で70年の老舗 支援策等を利用し復活を待つ

サンライズクリーニング(有限会社三幸)
2020.9.14

テレワークによるワイシャツ需要の激減、祭りで着る法被類のクリーニング需要がなくなる等、売上は前例のない打撃を被っている。当店では、店舗の賃借料の支援策を利用する等の経営努力によって、感染収束までを乗り切っていく。

取組みのポイント

  1. ① 換気を徹底し3密を回避
  2. ② 従業員は手袋を着用
  3. ③ 家庭での洗濯へのアドバイス
カウンターには飛沫防止シートを設置し、入り口は開け放して換気を強化

企業紹介

戦後まもなく先代が浅草4丁目で創業。爾来70年以上にわたり、地元密着で営業する老舗ホームクリーニングチェーンである。クリーニング工場を台東区今戸に持ち、浅草を中心に直営店3店舗と取次店1店舗を展開している。家庭向けサービスの他、町内会が祭りで着用する衣装のクリーニング等、浅草の風物詩を支え続けている。

代表取締役 富張博昭氏

Q: 工夫した点は?

A: 洗濯物をお預かりする際に、手触りで生地を確認するのも重要なことなので、本来、手袋はしたくないのですが、今は従業員の感染予防も大切ですから、業務中は手袋着用とし、手に触れるところの消毒もこまめに行うようにしました。
 また、ポケットの中にマスクやハンカチといった小物が入っていることがありますが、こちらはお客さまご自身で確認してもらっています。
 あとは換気のために、換気扇を回し続け、店舗の自動扉は開けたままにしています。

Q: 取組みの成果は?

A: 従来よりお預かりした洗濯物の感染症対策はしっかりと行っていますので、店舗でのお預かりから工場での洗濯工程、またご返却の受け渡しまでを、衛生的に行うようにできています。当店では病院等の洗濯物はお受けしていませんので、普段通りに、ご家庭からの衣類や寝具を、新品同様にしてお戻しするという業務を、1つずつ丁寧に行っています。
 ただ、受付での人と人との接触に留意するために、飛沫防止シートをカウンターに設け、換気を良くして、予防対策を強化しています。

Q: 今後の展望は?

A: テレワークの影響でワイシャツの需要が大幅に減り、浅草の風物詩である花まつりや三社祭、隅田川の花火といったイベントもすべて中止になったので、法被や浴衣を着る機会がなくなりました。
 そのため、売上は3カ月連続で3割以上落ち込んでいます。当面は家賃支援給付金などの支援を利用しながら、来年春には全面的に元に戻ってほしいと願っています。いまは長くご贔屓にしてくださっている地元のみなさまからの信頼を裏切らないように、地道にやっていきたいです。

洗濯物を預かるときにも手袋を装着
洗濯の前後でラインは交錯せずに包装される
受付で利用するものは小まめに消毒
感染対策を呼びかけるステッカーを掲示

成功のポイント

 私たちは工場を浅草に所有し、従業員同士もお互いに顔が見える距離で、丁寧に仕上げています。仕上がりの美しさは当店の誇りではありますが、ご家庭での洗濯等でも、感染症対策で心配事があればアドバイスもできますので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
 こうした地元密着のクリーニング店としての役割を、従来と変わらず果たして行きたいと思います。