江戸の伝統工芸品組合シリーズ
「江戸からかみ」は、江戸時代から伝わる伝統的な加飾技法を使った伝統工芸品です


江戸からかみ協同組合:〒110-0015 東京都台東区東上野6-1-3
TEL:03−3842−3785


金花鳥文様の更紗加工のからかみ
 平安時代、唐から渡来した「紋唐紙」を和紙に模造したのが「から紙」です。「から紙」は、文様を彫刻した版木に主として雲母(白雲母の粉末)や胡粉(貝殻の粉末)を絵の具として手で摺ります。当時は、和歌を筆写する詠草料紙として使われていましたが、中世以降、屏風や襖、貼り付け壁、障子腰等にも貼られるようになり、江戸時代になると徳川幕府による江戸の街づくりが進み、人口の増加と共に「からかみ」の需要も増大していきました。そして、多様なニーズにあわせて多彩な加飾の技法やデザインが考案され、独自の発展をしていきました。この新興の江戸で作られた「からかみ」を「江戸からかみ」といいます。
 「江戸からかみ」はこの技法の多彩さが大きな特徴で、木版刷りの技法は唐紙師、砂子蒔きは砂子師、渋型紙による捺染摺りは更紗師にと分化し、伝統技術としてそれぞれ現代に受け継がれています。
 「江戸からかみ」は平成4年8月に東京都知事指定伝統工芸品に、さらに平成11年5月に通商産業大臣指定の国の伝統的工芸品に指定を受けました。
 「江戸からかみ協同組合」は、江戸からかみの製造販売業者13人が江戸からかみの伝統的加飾技法の継承と江戸からかみの普及・販売促進を図るため、平成4年に任意団体「江戸からかみ振興会」を結成したのがはじまりで、その後より一層の普及と販売促進を図るべく共同販売事業を実施していくことになり平成10年に協同組合を設立しました。
東京松屋「江戸からかみショールーム」
版木に雲母をのせる小泉 哲理事長
 現在、共同販売事業として組合事務所のある東上野の株式会社東京松屋「江戸からかみショールーム」での江戸からかみ加飾実演会や社団法人東京産業貿易協会が三越本店で開催する東京伝統工芸品展等に出品し展示即売を行っています。また、共同宣伝事業として社団法人日本インテリアファブリックス協会の主催する「JAPANTEX’99」に出展し、江戸からかみのインテリアへの展開を建築関係者に広く提案していく他、さらに後継者育成事業として技術研修会を開催して組合員の江戸からかみに関する技術向上と伝統技術の伝承に努めています。

(一口メモ)
戸襖の貼り替え方法について
 襖に番号を付け、引手をはずす
1.襖の位置を間違えないように右から引手の上に番号を付ける。
2.釘が打ってある場合は、鋲抜きやペンチ等を使ってはずす。

 
襖紙をはがす。
椽(たるき)から3cm位内側をカッターで切る。下から襖紙をはがし、
周りの紙も濡れ雑巾等で湿らしてきれいにはがす。

 
袋張りをする。
1.袋張り紙(茶チリ)を縦半分に切る。
2.1の袋張り紙を重ね、2辺を3mm位ずつずらし、良く練ったかための糊をずらした部分に付ける。
3.方向を変え、糊の付いていない2辺に1枚ずつ糊を付け、椽から3cm位あけて上下逆さまに立てた戸襖に張っていく。3cm以上重ねて張る。

 
襖紙を貼る。
1.襖紙の下端を決めて裁ち、その下端を椽の内側に合わせ柄が中心にくるように置く。
2.襖紙の上に定規等を重石替わりに置き、三方を戸襖の外側に沿って切る。
3.襖紙の裏面にミルク状に薄めた糊をまんべんなく付ける。
4.上下逆さまに立てかけた戸襖に3を貼る。先に上を決め、紙がまっすぐか確認して下を押さえる。
5.撫刷毛で中心から外へ空気を出すように撫でる。四隅は丁寧にへら等で椽に押し込むように押さえつける。
6.周りの余った紙を定規等をあてて切る。椽に付いた糊を拭き取る。

 
引手を付ける。
襖紙が乾いてからカッターで切り込みを入れて引手を付ける。
                 (株式会社東京松屋発行「戸襖の貼り替え」より)
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