「計数的愛情」 |
|||||
戦後は、愛情というものも、大分変質してきたようにおもわれてならない。少なくとも、愛情の表現が変わってきたのは、たしかである。
|
|||||
悪い面だけを、ことさらにとりあげて、あれこれいうのはやめてください、日本女性はそんなさもしい了見の持ち主ばかりではありません―と憤然として抗議してくる女性、私はそういう女性に数多く出会いたいと願っている。愛情もさまざまで、そのすべてが清純だというふうにはきめかねるだろうが、愛情の価値を貨幣で見積もるだけの気風に、反発をおぼえる。なんでもそうだが、極端に割り切ってしまうことを、私はおそれずにはいられないのである。
|
|||||
|