「会社は動物園ではない
」
ときどき、あちこちの会社を見学させていただくことがある。
おとなりに、お客さんがきているというのに、社員は昼飯をパクついていて、知らぬ顔をしている。これだけみれば、この会社は、もう落第である。ところが、このたぐいの会社があまりにもたくさん存在するのだから、困りものである。
働くという字を、もう一度見直してみるとよい。働くとは人間が動くことなのである。ただ、動くだけなら、動物でもできるが、およそ人間が動くというからには、そこに目的があり、計画があり、また規律がなければいけないと思う。
食べたくなったから昼飯を食べる。お客さんなど完全に無視して、別に不思議とも無礼とも考えない。社内がいくら乱雑でも、平気で歩きまわる。これでは動物園と、さして変わらない気がしてならない。
社長さんよ、動物園的な動きに対しては、給料を払う必要がありませんよ。従業員は、よく「経営者に搾取されている」と口にするが、私にいわせると、従業員に搾取されている経営者の方が、よほど多い、なぜ、そうなったかを考えてみると、答えはしごく簡単である。経営者に欠陥があるからで、その欠陥とは、温情主義、家庭主義といった詰まらぬ思いやりである。
そこで、経営者にも、従業員諸君にも、一言申し上げておく。会社を動物園にしてはいけないと。会社が必要なのは人間で、断じて動物ではない。動物に給料を払うバカものは、どこにもいないし、動物的な動きというものは、常に計画性にとぼしく、非能率である。従業員諸君の非能率は、そのまま経営にひびく。経営を危うくするような手合いに給料を払い、そのうえ賃上げ要求にまで応じるなどは、まことに正気の沙汰と思えない。
会社は、きわめて厳格に、人間だけに給料を払うのだということを、徹底させる必要がある。
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