「切り拓け日本の未来!中小企業成長促進大会」を開催しました

seicyosokushin 01【会場の様子】

 東京中央会をはじめとする都内中小企業関係6団体は6月13日(月)、丸の内JPタワー ホール&カンファレンスにおいて、わが国の本格的な景気回復と持続的成長の実現に向け、中小企業・小規模事業者の今後の支援拡充強化、東京2020オリンピック・パラリンピックとその先を見据えたビジネスチャンスの拡大を図るため「切り拓け日本の未来!中小企業成長促進大会」を開催いたしました。
 東京商工会議所三村会頭の開会挨拶に続いて、各団体代表からの意見発表では、本会の大村会長が中小企業・小規模事業の底上げを図り経済の活性化のためのものづくり補助金の継続実施、中小企業世界発信プロジェクト2020の活用による受注機会の拡大や販路開拓支援の2点について発表し、引き続き決議採択、来賓の国会議員及び都議会議員のご挨拶ののち閉会いたしました。

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【東商三村会頭開会挨拶】
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【大村会長の意見発表】
 
 
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【主催者側・各団体の代表】
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【来賓の国会議員・都議会議員】

 

 

 

 

 

 

 



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「切り拓け日本の未来!中小企業成長促進大会」決議

2016年6月13日

東京都商工会議所連合会    東京商工会議所
東京都商工会連合会      東京都中小企業団体中央会
東京都商店街振興組合連合会 東京都商店街連合会


 わが国経済は、ファンダメンタルズは堅調ながら、新興国経済の減速懸念や、不安定な金融市場が企業心理に大きな影響を与えており、特に中小企業の景況感は、価格転嫁の遅れや人手不足の影響もあり、一進一退の状態が続いている。今後、わが国が持続的な成長を実現するためには、経済活動の基盤を支える中小企業の活力が不可欠である。慢性的な人手不足を克服し、生産性向上に向けた取り組みを後押しするとともに、企業数の減少の抑制や東京の国際競争力の向上、社会保障制度改革などの諸課題の解決に向けて、迅速、かつ着実に取り組み、中小企業経営者が将来を見据え、事業活動を行えるようデフレマインドの払拭に全力を挙げる必要がある。
 そして、2020年にはオリンピック・パラリンピック東京大会が開催される。オリンピック・パラリンピックは都民のみならず国民にも夢や希望を与え、大きな経済効果をもたらすことから、2020年大会を契機とした活力ある東京を実現させ、その効果を中小企業が享受できるよう、気運盛り上げなどの取り組みを加速化させるべきである。
 ついては、集中的かつ機動力をもって、以下の対策の実行を促すべく、我々は本要望を決議する。 

1.人手不足を克服し、生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者の後押しを

 中小企業の人手不足は深刻であり、売上拡大といった企業行動の大きな制約条件にもなっている。この状況を打破するためには、女性や高齢者、若年層など、多様な働き手の労働参加を促す必要がある。そのためには、長時間労働の抑制などにより仕事の質を高めながら生産性の向上を図り、競争力の強化に努めることが重要である。ついては、社会保険制度における「130万円の壁」の解消や、改正労働基準法の早期成立と労働環境の整備推進などにより、働きたい意志が尊重される社会の構築に取り組まれたい。 また、生産性向上を図るためには、付加価値を高めることが重要であり、そのためにはICT化は不可欠である。新製品・新サービス開発や設備投資などを後押しする施策や規制・制度改革の推進、税制の継続・拡充、IT人材の育成および高度化に努め、新たなステージに進みつつある世界の産業構造をわが国中小企業がリードできるよう後押しすべきである。

2.円滑な事業承継や起業のしやすい環境の整備により、企業数減少に歯止めを

 2014年のわが国の中小企業数は381万者と、この15年で102万者減少している。企業数の減少は、雇用の喪失のみならず、技術の継承の途絶や新たな産業創出の妨げにつながり、わが国経済の競争力にも直結する。ついては、起業家教育の強化や、チャレンジが評価される社会風土の醸成、法人設立の利便性向上など行政手続きの簡素化による創業環境の整備により、起業・創業を活発化させるとともに、後継者マッチングやM&A支援の充実、事業承継税制の抜本的な見直しや取引相場のない非上場株式の評価方法の見直しにより、円滑な事業承継を促進し、企業数減少に歯止めをかけるべきである。

3.社会保障給付の重点化・効率化の徹底と世代間の適正な「負担の分配」を

 現役世代が拠出した保険料に占める高齢者医療への拠出金の割合は約5割に上り、現役世代や事業主にとって大きな負担となっている。社会保険料の増大は、現役世代の可処分所得を減少させるだけでなく、将来不安による消費の抑制など、経済活動へ大きなマイナスの影響を与えている。社会保障給付の重点化・効率化の徹底・加速化はもとより、現役世代に偏った負担構造を改め、高齢者の応能負担割合を高めるなど「世代間の負担の適正な分配」を軸にした改革を断行すべきである。また、こうした改革によって生まれた財源は、少子化対策など現役世代の支援に活用すべきである。

4.日本経済を牽引する首都・東京の国際競争力の強化を

 東京はわが国の経済成長を牽引するエンジンであり、「東京のさらなる発展」と「地方創生」はわが国の持続的な成長に必要な車の両輪である。「世界一の都市・東京」を実現するためには、世界から資金や人材、情報が集まる魅力的な都市として、首都・東京の国際競争力のさらなる強化が必要である。そのためには、国家戦略特区を活用したビジネス環境とまちづくりの整備、首都直下地震など災害に強い防災対策、陸・海・空の交通ネットワーク強化の整備に遅滞なく取り組むとともに、人口減少社会などを見据え、中長期的な政策も漏らすことなく同時並行で進めるべきである。

5.商店街活性化による魅力あるまちづくりと観光振興の促進を

 活力ある地域のにぎわい創出のためには、魅力あるまちづくりは不可欠である。その中でも、商店街は、地域経済の重要な役割を担うとともに、地域の生活・防犯・防災等の社会的機能の補完に協力する等、地域コミュニティの担い手としての機能を発揮している。ついては、商店街の活性化に向け、ソフト・ハード面での支援とともに、合理的かつ効果的な運営のため、商店街振興組合法に基づく組織の法人化を推進されたい。また、先般新たな目標値として設定された2020年までの訪日外国人旅行者数4000万人に向けて、受入環境の整備に加え、インフラ観光など地域固有の資源の活用、観光産業の「稼ぐ力」の強化、人材の確保・育成、新たなニーズに対応した法制度の整備などに早急に着手し、観光振興を促進させるべきである。

6.オリンピック・パラリンピック大会を契機とし、活力溢れる東京の実現を

 オリンピック・パラリンピック大会の自国での開催は、都民のみならず国民にも夢や希望を与えるとともに、大きな経済効果をもたらし、大会を起爆剤とした様々なビジネスチャンスが見込まれる。2020年大会を史上最高の大会とするためには、準備段階から東京のみならず全国的に気運が盛り上がることが重要であることから、非スポンサーの団体や企業がその一翼を担えるよう、取り組みを加速させるべきである。また、2020年大会の効果を中小企業が享受できるよう、「中小企業世界発信プロジェクト2020」を最大限活用するべきである。

【特別要望事項】東日本大震災、そして熊本地震からの早期復旧・復興を

 東日本大震災から5年が過ぎ、住宅再建はピークを迎え、被災企業の施設・設備も復旧しつつある。一方で地域・業種間で大きな差が生じていることから、復興期間の総仕上げに向け、インフラ整備や産業復興などにおいて、これまで以上に地域の実情に対応した効果的な支援が必要となる。そのような中、4月に発生した熊本地震では、熊本・大分の両県に甚大な被害をもたらすのみならず、全国的なサプライチェーンにも影響を及ぼした。被災者や事業者が通常の生活や事業活動に早期に戻れるよう、迅速かつ、きめ細やかな復興支援を求める。

以 上