「中小企業サイバーセキュリティ対策相談窓口」の開設及び「東京中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワーク(Tcyss)」の設立について

 東京都と警視庁は4月25日、本会を含む5中小企業支援機関との間で結ばれた相互協力協定に基づき、情報セキュリティ対策強化や情報流失事案等に関する相談を受けるための相談窓口の開設と「東京中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワーク(Tcyss)」の設立についてプレス発表を行い、同時に第1回目の会議を開催した。
 会議では、東京都の松永商工部長が進行役をつとめ、冒頭、山本産業労働局長から、従来のサイバー攻撃は大企業や官公庁を標的にしていたが、今後は都内44万社の中小企業が抱える知的財産や個人情報が標的となる懸念が伝えられた。また、サイバー攻撃によるサプライチェーンの寸断も想定されるが、国の専門機関やセキュリティ企業とも連携して、中小企業はサイバーセキュリティ対策強化に取り組まなければならないと述べられた。
 2012年ロンドン大会においてサイバー攻撃が急増したことを教訓に、日本経済への影響は甚大であり、2020年に向けて、サイバー攻撃の脅威に対する認識が不十分な中小企業に対して対策の強化を促し、啓発普及し、情報の共有化を図っていかなければならず、その一環として、今回窓口の設置に至った経緯を説明された。
 引き続き、山下警視庁副総監から、インターネットバンキングによる不正送金が増加しており、遂に被害額は30億円突破した。最近は、中小企業・小規模事業者が日々取引をしている地銀・信金・信組の被害が増加し、被害全体の5割を占めるようになったこと。また、被害に遭った中小企業の83%はセキュリティ対策を怠っているという調査結果もあると述べられた。
 今後は中小企業においても、マイナンバーや個人情報、知的財産等の取扱いも増えていくことから、情報漏洩は、企業としての信用失墜になるため、セキュリティ対策強化に一丸となって取り組まなければならないと必要性を訴えた。
 警視庁でも、本年4月にサイバーセキュリティ対策本部を設置し司令塔として、対応チームを編成し支援機関とも緊密な連携にあたると決意を述べられた。
 その後東京都の具体的な事業計画の説明を経て、今後の対策の進め方について、中小企業の実情を踏まえて出席者から提案や意見が出された。 

サイバーセキュリティ支援ネットワーク会議の様子
【会議の様子】
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【都庁内のサイバーセキュリティ対策相談窓口】

 

 

 

 

 

 

サイバーセキュリティ支援ネットワーク会議の様子
【挨拶する山本産業労働局長】
サイバーセキュリティ支援ネットワーク会議の様子
【左から松永商工部長、山本産業労働局長、
山下警視庁副総監、
早川警視庁サイバーセキュリティ対策本部副本部長】