令和2年度団体向け新型コロナウイルス
感染予防対策ガイドライン等の普及促進事業
緊急事態宣言下でも止まることがなかった物流。ドライバー自らが考え、行動し、感染予防対策のルールづくりを行った。社員からの自発的なアイデアに会社がサポートをすることによって、これまで以上の結束力が生み出された。
昭和28年設立。東京・神奈川・茨城で、主に自動車部品のB to B ビジネスを繋ぐ貨物輸送会社。全営業所で「G マーク(安全性有料事業所認定証)」、「グリーン経営認証」を取得している。東京都貨物輸送評価制度では「二つ星」を取得し、長年、安全・環境への配慮や、ドライバーの健康等の取組みで高い評価を得ている。
A: 最初「自分は大丈夫」と思っていたドライバーにも、3~4月ごろから次第に「万が一にも他人にうつしたり、家庭に持ち帰ってはいけない」という意識が芽生えてきました。しかし、東京・神奈川・茨城の営業所では、感染拡大の速度や規模が違うため、意識にも差があります。
そこで、会社から押し付けるのではなく、マスクや消毒液などを支給することで、徐々に最低限やるべきことという意識の底上げを行っていきました。大手企業の対策も参考にしました。
A: 一日は、朝礼での検温や体調チェックから始まり、ドライバー各人に対してマスクや消毒液の支給を行っています。東京営業所では「感染予防対策マニュアル」を作成して、全員が携帯するようにしました。
マスクの着用や運転席の消毒といった基本的な行動から、使用済みマスクの廃棄時にはビニールに入れて口を結んで捨てることなど、細かい感染予防の知恵がつまった独自のマニュアルです。これは、ドライバー全員でまとめあげたマニュアルで適宜更新しています。
A: 先行きは予測できませんが、クラスターが発生するなどして営業活動をストップせざるを得ない状況にならないよう、少しでも健康に不安があったら休んでもらう方針を続けていきます。そのためには、安心して休めるように、政府の「雇用調整助成金」等の施策も利用していく考えです。
営業面では、一時期よりも持ち直してきましたが、それでも2割減という状況です。今後、業界の再編も進むと思いますから、気を引き締めてやっていきたいです。
ドライバーは待ち時間にスマートフォンでいろいろと調べる時間があります。彼らが情報収集していろいろな知恵を出してくれたので、会社はそれを吸い上げて、会社としてやるべきことに対し、迅速に手を打つことができました。
かつてない状況ですから、全員で知恵を出し合うことができたのが、いち早く感染防止対策を構築できた最大の要因だと思います。